月別アーカイブ: 8月 2021

喫茶去庵日記8月18日

漸くのこと雨が上がり、陽が差してきました。夏の間は茶室に生けるお花が少なく苦労します。勿論、木槿(ムクゲ)や芙蓉が夏の茶花のメインですし、お花屋さんに頼めばどんな茶花でも手に入りますが、それはそれで正統派で便利ですがとても寂しく感じてしまいます。今年、我が庭ではゆりの花が庭中に沢山咲きました。可憐な笹ゆりでも大きなヤマユリでもなく「鉄砲ゆり」です。余りにも多く咲いたので今日はゆりを床に生けました。鉄砲ゆりは他のゆりと異なり細い葉が互生に沢山ついて何か違う種の植物の様に見えますが、花が咲くと長く白い花が凛として突き出すように咲いて正にゆりの花です。私は知らなかったのですが、日本固有種の鉄砲ゆりがヨーロッパに伝わると、それまで聖母マリヤと天使が描かれている「受胎告知」の絵に描かれている花は白ゆりだったのが、それからこの鉄砲ゆりに置き換わったそうです。凄いですね、それ故、花言葉は聖母マリヤのイメージに由来して「純潔」となったようです。夏の間、花を探して野山に行ってみると、結構いろんな花が咲いています。通常では「雑草」とひとまとめにされてしまうのですが、よく見るととても可愛らしく素敵な花達に出合います。そんな時は一所懸命に図鑑を調べ名前を探し出すことにしています。名前を知ると途端に何か「知り合い」が増えた様に思えて嬉しくなります。今までは何方様ですか?って挨拶もせずに通り過ぎていたのが、急に何年も前から知っていた人達になります。不思議な気がしますね!そんな形で知り合った花達はとても多く、それらをそっと生けてみるととても新鮮で、どなたかに見せたくなってしまいます。今まで私の世界に無かったものが(あったのですが知らなかった)増えたようで、とても得をしたように感じます。そんな花達の夏の代表は、「夏フジ」や「仙人草」、「オカ虎の尾」、「ミソハギ」だったりします。勿論、植物を良くご存じの方は、それらの花に気づくし名前も良く知っていますが、私にとっては前にいったように新鮮な「知り合い」を花入に生けたのです。「夏フジ」は本物の藤と違って白い花で目立たなく何かの木に絡まって愛らしく、さも「名前はありません」みたいに咲いています。小さい白花が藤の様に点々と細く垂れ下がっています。今年は毎朝のウオーキング中に見つけたのが、何とか藤や何とか萩と言うのかなって思う「駒つなぎ」でした。藤の花や萩のような形の小さい花が下に垂れ下がるのではなく上に立って咲いています。ツル性のような茎はとても強く、馬を繋いでおけるようなものから、その名が産まれたのだそうです。一度引っ張ってみようと思いましたが、馬を繋げるほど強いのであれば、私の指が切れてしまわないかと止めにしました。これで「知り合い」がまた、増えました!

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喫茶去庵日記8月15日

今日8月15日は76回目を迎えた「終戦の日」です。私は戦後生まれで戦争を知りませんが、全ての日本人が何らかの「地獄絵図」見たに違いない「戦争」が終わった日です。勿論、この後も場所によっては人によっては地獄絵図が現れてくるのですが、一応、もう今までのようなことにはならないのだと安心した日でもあります。また、「お盆」の際中でもあり、奈良では大文字の送り火が規模を縮小して行われる予定でしたが、長雨と今朝までの強烈な降雨によって中止となりました。温暖化によるものなのでしょうか?この1週間梅雨がまたやって来たような長雨が続き、台風が通過するかのような激しい雨が「線状降水帯」となって続き日本全土を襲っています。長崎、熊本、佐賀、福岡、広島、長野、岐阜などでは、川の氾濫による家屋の水没や土石流による災害がいたるところで発生して、多くの被害者が出ています。奈良はそれほどの被害は発生せず、今、漸く雨も止んで曇り空へと少し落ち着いてきました。このまま、快方に向かってくれれば良いのですが~一方でオリンピックが終わった途端、コロナは終息するどころか、第5波がやってきて過去最大の感染者数になったり、変異株を中心に過去最大の重症者数になってしまいました。しかも、医療崩壊と思われるような、医療従事者に診てもらえず、入院も出来ない感染者が自宅で自主隔離をしている人達がどんどん増えて1万人を超え、中にはそのまま容体が急変して亡くなってしまった人も出てきています。コロナ感染症が日本に拡大してきて既に1年半を過ぎています。この期間にもっともっと出来ることがあったのではないでしょうか?オリンピックの医療体制には相当数の医療従事者が動員されています。これを本来ならコロナ感染症を抑える方向に使えなかったのでしょうか?感染者が何の医療も受けられないまま亡くなってしまう。こんなことが戦争状態でない先進国の中で起こることが信じられません。全国的な線状降水帯による自然災害に対して何の防御も出来ない状況、人災ではないかと思われるコロナ感染症拡大の第5波を見ていると正に、「地獄絵図」の様に思えてなりません。何度も何度も自然災害に襲われ、コロナ感染拡大も終息させることが出来ない現状を何とか抑え込んで「終戦の日」にならないでしょうか?声も出せない自分、何も出来ない自分、無力な自分が情けなくなります。

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喫茶去庵日記8月4日

今日も奈良は猛暑、朝から「暑い!暑い!」の連発で他の言葉が出ない!この暑さの中でも「オリンピック」は開催され、体温を上回る危険な気温、しかも日本独特の蒸し暑さの中、多くアスリートが全力を尽くして競技を行っている。私も野球少年だった頃を思い出すと、太陽の熱光線が頭や背中を容赦なく焼いて、グラウンドから立ち上る熱された土埃が砂漠の砂の様に体の下から上に向かって焼き上げてくる。そんな状態の中では頭もぼーっとなって身体も思うように動いてくれなくなり、自分の持っている力全てを出し切ることなどは、ありえないような気がしました。ところが、実際の試合になると同じ状況の中でも違うのです。頭がぼーっとなるどころか、むしろ、鮮明になってくるのです。熱光線も砂漠の砂の熱さも、感じなくなるのです。体感温度は40度を超えていても、汗も身体中に吹き出ているのですが、何も感じなくなるのです。何故でしょう?本当に信じられないほど、周りの状況を感じなくなっているのです。これは「集中力」なのでしょうか?テレビで競技中のアスリートの姿を見ていると、気温や蒸し暑さなどは感じることが出来ないのですが、顔や身体から出ている汗やウエアの汗ばんだ状態を見ると容易に酷い状況が想像出来ます。ところが、眼を見ていると、輝いているのです。そして遠くのものを見ているように、一点に集中しているかの様に見えるのです。多分、自分の目の前以外、何も見ていないのだと思います。これが、集中力なのでしょうね。だから、持てる力、あるいはそれ以上のものが出せるのでしょう!オリンピックの400メートルハードルで北欧の選手が予選、決勝で世界新記録を出して金メダルを獲得しました。北欧の夏平均気温は20度で湿度も低いそうです。そうです、15度以上高い気温、そして蒸し暑い中で、彼は自分の持てる力以上のものをこの決勝戦で出すことが出来たんですね!スポーツって本当に凄いですね!実際の環境や事実を無視して、最後は凄い力が出るのです。水泳の200メートル、400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した日本の女性、柔道の決勝で金メダルを獲得した兄妹、炎天下のコンクリートで出来た熱反射板のような競技場で若い力がいつもより素晴らしい力を発揮して上位を独占しました。その頂点に達した人達を見ると全てのアスリート同様に出し切れた力をこれでもかと見せている。素晴らしい!私ももう一度そんな目をしてみたいし、輝いてもいたいと思いました。無理かもしれませんが、何かにチャレンジする力を、アスリートたちの頑張りから得たような気がします。明日はより遠くまで集中してウォーキングをしよう!明後日はより遠くまで集中してバイクツーリングをしよう!オリンピックの開催については賛否がありましたし、私自身、コロナ禍の中での開催には反対していましたが、開催してしてしまって、アスリートそれぞれが全力で競技に向かっている姿を見ると応援せざるを得ません。この結果、コロナが益々拡大するような結果が出ても、それは政府を始め我も含め責任があると思います。終了後は責任の所在を明確にすることは絶対に必要だと思いますが、コロナ感染の終息に向けて全ての人々が今までの反省も含め、全力を出すべきだと思います。

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